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PCR検査で本庶氏と西浦氏が激論、京大が新型コロナ緊急シンポ

レポート 2020年10月10日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

京都大学医学研究科がん免疫総合研究センター緊急シンポジウム「新型コロナウイルス感染対策におけるPCR検査の利点と課題〜感染制御と社会経済を両立した健康で豊かな社会を取り戻すために〜」が10月5日、オンラインで開催され、PCR検査の在り方をめぐって、濃厚接触者か否かなどを問わず「安心」のためにどこまで検査対象を広げるか、京大の2人の教授の間で激論が交わされた。 2人の教授とは、京大医学系研究科環境衛生学教授の西浦博氏と、主催者であるがん免疫総合研究センター・センター長で、京大特別教授を務める本庶佑氏。 西浦氏は、濃厚接触者であるか否かなどで事前確率(検査前に考えられる陽性率)および感染制御への効果が異なってくることから、PCR検査を効率的に行うためには、検査対象者を検討することが必要だとし、「盲目のマススクリーニング単体は、感染制御に効率的でない」と指摘した。 これに対して本庶氏は、プール方式(複数の検体を一括して検査する方法)でやれば、「1億人検査しても2000億~3000億円で済むとの推計がある。費用対効果としては、極めてもう十分」などと述べ、「国民が安心するためには網羅的な検査が必...