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「数理モデル研究からうかがえる高齢者の著しい行動変容」西浦京大教授

レポート 2020年10月12日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

京都大学大学院医学研究科教授の西浦博氏は、オンライン開催の第61回日本臨床ウイルス学会の特別企画「COVID-19―19人の専門家からのアップデート」で、「接触削減によるCOVID-19の制御」とのテーマで講演、「(ハイリスクの環境が認識されることによって)人の行動が大きく変わる。少しでも皆さんが自粛行動をすることによって、流行のダイナミクスが大きく変わることが、COVID-19の特徴であることが分かってきた」と述べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を数理モデルで予測する難しさを語った。特にハイリスクとされた高齢者のこれまでの行動変容の程度が大きいと考えられ、今後どのような行動に変遷していくかによって大きく予測が変わることが、その一因として挙げられるという。 流行を予測する数理モデルは、過去のさまざまな感染症の経験を経て、技術的な進歩を遂げてきたものの、「今回の流行でどこまでそれが実装されたかと言えば、心許ない」と西浦氏は明かした。ただし、第1波、第2波を経験することで、「推定」のほか、「Projection(シナリオ予測)」、「Forecasting(定量的予測)」...