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「医療者は環境の力を軽く見ているのでは」-西智弘・緩和ケア内科医に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年11月2日 (月)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

──本の中ではいろいろな取り組みが紹介されていますが、先生イチオシのケースを教えてください。 主に精神障害の方を対象にした横浜の地域活動支援センター「ひふみ」が中心となった、福祉施設でみんなでディスコを踊る取り組みが一番好きです。素晴らしいのは、地域と混ざり合っていることだと思います。 インタビューに答える西智弘氏 障がい者コミュニティーは、「あそこは障害のある人の場所だ」と地域の中で孤立しまうケースが多いのです。けれど、この取り組みでは精神障害を持つ人が自分たちでポスターを作るなどの役割を決めて実行し、実際にディスコをやってみたら誰が患者で誰が外から来た人なのか分からないほどに混ざり合っていたというのがすごく面白い。 ──がん患者の方でも、病気ではない方と混じり合えない部分がありますね。そうした壁を取っ払っていく必要があると。 「あそこにつなげば、社会につながる」というのが重要ですね。閉じていないんです。社会的処方がある時に、そこを紹介してそこで閉じてしまったら面白くない。 最近紹介している「DANCE WELL」というパーキンソン病を持っている方のダンスサークルがあります。そのウェ...