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使命感だけで飛び出すのは「止めた方が良い」-西智弘・緩和ケア内科医に聞く◆Vol.3

インタビュー 2020年11月8日 (日)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

──本書に載っている社会的処方のケーススタディは市民が中心の物が多いです。医療者側はどのように関わって行けば良いでしょうか。 医療者としては、「街に出なさい」ですね。地域に目を向けることをまずやってほしいなと思います。そして、地域に出ていく時に、自分がリーダーだという風に出て行かない方が良いと思うんです。1人の住人として「地域を少し良くしたいな」と出て行って、「実は医者なんですけど」という風に言ってほしい。「医者の○○さん」ではなくて、「○○さんは良いことを言っていて、実は医者らしいよ」という立ち位置が大事です。 インタビューに答える西智弘氏 医師が地域の中に入って行こうとすると、ついリーダーシップを取らなければいけないのではないかと思いがちです。それでうまくやっていける人もいるけれど、医師の目で全部を見ようとすると、医師は問題を解決したがる人種なので、地域と齟齬が生まれることがあります。普段はどうしても1日、2日で問題を解決しなければいけない人種なので、地域の進め方のスピードと医師が取り組むことのスピードが少しずれるんですよ。地域のことは長い目で見ないといけないので。 ──2018年...