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医師は患者が不確実性に耐える時に伴走する存在- 大塚篤司・京大皮膚科特定准教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年10月27日 (火)  聞き手・まとめ:星野桃代(m3.com編集部)

【大塚篤司・京大皮膚科特定准教授に聞く】 Vol.1 患者の不安と心配を解消して初めて本音が聞き出せる Vol.2 医師は患者が不確実性に耐える時に伴走する存在 ――これまで診てきた患者さんで、標準治療をやめて民間療法に移った方はいましたか。 黙って民間療法に行かれてしまった例は把握できていませんが、一度患者さんから直接報告を受けたことはあります。悪性黒色腫(メラノーマ)の若い患者さんでした。転移があり、抗がん剤治療もしていましたが、何百万円もかかる民間療法に移ってしまいました。 ――著書でも書かれていたように、一部の医師が血液クレンジングなどの「トンデモ医療」を推奨する事例も耳にします。 エビデンスがない・少ないんだったら全部トンデモかって言われると難しい部分はありますね。僕は「トンデモ医療」とバッサリ切り捨てることはあまりしないようにしています。 血液クレンジングの場合はいくつか問題があるんですが、そのうちの一つが血を戻す作業。一度出したものを体内に戻す過程で感染症のリスクが高まります。どれだけ手技が完璧だと言っても、人間がやることなのでミスが生じる可能性は当然あるにもかかわらず、...