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「新型コロナの感染制御、知事のリーダーシップ重要」西浦京大教授

レポート 2020年11月1日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

オンラインで開催となった第79回日本公衆衛生学会総会のメインシンポジウムII「新型コロナウイルス感染症感染の実像を考える」で、京都大学大学院教授の西浦博氏は、「COVID-19の現状分析:理論疫学の立場から」と題して講演。「とても敏感に知事のリーダーシップによるアナウンスメントや各種政策、特に夜間の繁華街における政策に反応して、流行動態が変化していることがトレースされる」と述べ、「国が特異的な政策を打ち出していない中では、都道府県知事がこれまで以上にリーダーシップを取ることが、今後の感染制御に極めて重要になる可能性が高いと考えている」と都道府県レベルでの対策の重要性を訴えた。 「知事がそこに帰属した人に呼びかける、特に接待を伴う飲食店などに営業自粛や大人数での飲食を控えるよう呼びかけると、実効再生産数の減少に貢献することを、ある程度、客観的に示すことができる。一方で忘れていけないのは、緩和のアナウンスメントも逆の意味で奏効していそうなこと」。西浦氏はこう述べ、自粛等の要請と緩和という、双方の対策の絶妙なバランスが必要になっていると説明した。 西浦氏が例に挙げたのは大阪府。第1波、第2波...