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「社会医学専門家、求められる時代に」尾身氏

レポート 2020年11月2日 (月)  小川洋輔(m3.com編集部)

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長を務める尾身茂・地域医療機能推進機構理事長はオンラインで開催された第79回日本公衆衛生学会総会で「COVID-19の対策:これまでそしてこれから」と題して講演し、「これからの日本では全体を俯瞰できるプロ、社会医学系の専門家が、今まで以上に活躍することが求められる。今までは局所の対応で良かったが、パブリックヘルスといった広い視野がないと、とても部分最適だけでは乗り越えられない時代になっている」と述べ、保健所など公衆衛生の従事者にエールを送った。「保健所は公務員であると同時に専門家としての立場もある」とも強調し、臨床家とは違う視点から政策への関与や情報発信を求めた。 日本公衆衛生学会の「自称、陰の応援団」という尾身氏は、日本での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を「ハンディキャップを背負って始まった」と回顧。その理由として、「日本は幸い、SARSやMERSを経験しなかったし、2009年の新型インフルエンザも人口当たりの死亡率が世界で一番低かった。そういう成功体験があった」と述べ、「新型インフルエンザの後の総括会議で、今課題になっ...