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【フランス便り】「万聖節」目前に再びロック・ダウン

オピニオン 2020年11月3日 (火)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

11月1日の日曜日は、万聖節。フランスでは、全ての聖人と殉教者、死者のための鎮魂のミサが教会で行われるキリスト教の大切な祝祭日です。ちょうど日本のお彼岸のように、家族・親戚で集まり菊の花を持って先祖のお墓を訪れる習慣があります。 日本でもフランスでも、菊の花には死者を弔う気持ちにさせる不思議な力があるようです。この日をはさんだ前後2週間は、学校も秋休みとなり、子供たちは、ハロウィンの仮装を楽しみます。この大人にとっても子供にとっても大きなイベントである週末を待たずして、10月30日金曜日午前0時から、フランス全土で急遽、ロック・ダウンを再開することになりました。マクロン大統領がテレビでその発表をしたのが、開始よりわずか2日前の28日水曜日の午後8時。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大がその理由ではあるのですが、テロによる各地での襲撃の激化が予測可能な事態となっていたタイミングでもあったためと言われています。ロック・ダウンをして、人の流れを止めたかったのではないでしょうか。悪い予測は的中し、発表の翌日29日、ニースのノートル・ダム教会で、さらに31日、リヨンの正教会で...