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女性医師の抱える「もやもや」を言葉にする-医師で作家・南杏子氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年11月15日 (日)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

──女性医師を描く構想をお持ちの中で、医学部入試の女性差別問題が発覚したということですが、当時の受け止めはいかがでしたか。 「やっぱりな」ですね。取り立てて驚くことではないけれど、明るみに出たことには驚きました。同時に、「女性と男性が半々になったら困るでしょ?」と考える人が、男性医師だけではなく女性医師にもいて、周りの人のさまざまな考え方は興味深かったですね。 インタビューに答える南杏子氏 アメリカのジェーン・エリオットという女性教師が行った「Blue eyes-Brown eyes」と呼ばれる反人種差別の実践授業があります。子供たちを茶色の目と青い目に分けて、まず「青い目の子の方が優秀」とする。そして事あるごとに「茶色い目だからノートを開くのが遅いのね」「お父さんに殴られたの? お父さんの目の色は茶色でしょう?」などと伝える。そうすると茶色い目の子たちは無気力で悲しい気持ちになり、成績も下がるんです。数日後に青と茶を逆転すると、今度は青い目の子の成績が下がる。 置かれた環境や周りの決めつけが人に与える影響は、とても大きく、暴力に等しいです。現在の医療界は、「女性だからできないんでしょ...