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「転校生」が伝える医療界の「びっくり」-医師で作家・南杏子氏に聞く◆Vol.3

レポート 2020年11月22日 (日)  聞き手・まとめ:岩崎雅子(m3.com編集部)

──本作『ブラックウェルに憧れて』の冒頭で、医学部入試の女性差別問題を受けて「なぜ女性医師は声を上げないんですか」と記者が女性教授を糾弾するシーンがあります。女性差別や医師の働き方の問題に対して、医療界はどのように声を上げていったら良いとお考えですか。 何かを正したいとか、どうすべきなどと言う立場に、私はいないと思います。それは私のキャラじゃないんです。私は差別を糾弾するために物語を書いた訳ではなくて、女性運動の扇動家になるつもりもないんです。ただ、「こういう現実があるよ」というのを分かってくれる人が、一人でも増えれば良いと思います。 インタビューに答える南杏子氏 私自身が10年も社会人をした後に医師になって、「女医って意外と大変なんだな」と驚いたんですよ。編集者にも最初「女医さんって大変なんですね、意外でした」と言葉をもらって、先日同僚の看護師から「読みましたよ! 女医さんって大変なんですね」と言われました。小説にはそういう「驚かす喜び、楽しみ」があるんですよね。 世の中を変えようと意図して書いている超リアルな話ではなく、一方で夢物語になり過ぎると心に響かないので、リアルと夢の間を書...