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医師の権限も責任も過大…AI医師法が必要-奥真也・埼玉医科大客員教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2020年11月23日 (月)  聞き手・まとめ:小川洋輔(m3.com編集部)

「医療の未来年表」では、今後予想される画期的な新薬や治療法の紹介にとどまらず、医師法改正など制度論にも触れている。その背景には、AI(人工知能)によって医療の在り方が抜本的に変わるにもかかわらず、一向に法体系の整備が進まないことへの危機感がある。 ――医師法の大幅改正を訴えています。 年表では「2030年、医師法大改正」としました。医師法が制定されたのは1948年で、もう72年前のことですが、大きな改正は行われていません。コンピューターなど全くない時代の法律でやっていることがまず驚きで、もう限界が近づいています。厚生労働省は通知によって、その時々の水準に照らして医療に従事すべきだという主張をしていますが、これだけ技術が進歩すると、さすがにもう限界でしょう。 ――限界だと感じるのは具体的にどういったところですか。 まず、医師の権限と責任が大き過ぎると感じます。 現行法では、例えば看護師による「診療の補助」は医師の補助にすぎず、医師が指示を出さないと何もできません。 ――看護師の特定行為の研修修了者が伸び悩んでいる現状を、付け焼き刃で済ませてきた制度の「惨敗」だと書いています。 今の状況は...