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【フランス便り】スペイン風邪のデジャブ、果たして第2波の行方は?

オピニオン 2020年11月15日 (日)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

11月11日は、フランスでは第1次世界大戦休戦記念日、パリの凱旋門で祖国のために散った戦没者への追悼式が行われ無名兵士に献花します。5月8日の第2次世界大戦戦勝記念日と並んで、戦勝国フランスのプライドを感じる祝祭日です。 復員兵の最後の一人が亡くなった2008年、サルコジ大統領はかつての敵国であったドイツのメルケル首相を初めて式典に招待し、平和とヨーロッパ主軸国の連携を内外に示しました。 フランスでは第2次世界大戦よりもはるかに多くの戦没者を出したこの大戦では、兵士135万人、民間人50万人が死亡、そのうちの20万人は、スペイン風邪による病死と言われています。 猛威を振るったこのスペイン風邪(H1N1亜型インフルエンザ)パンデミックは、1918年アメリカで、ヨーロッパからの帰還兵たちから症例が確認されます。それよりも前に、恐らくスペインで、さらにそれよりも前に十万人以上の兵士が3密で生活するフランスの英兵駐屯地で似たような症例が既に報告されています。当時の世界人口の実に3分の1に当たるおよそ5億人が感染し、死者数については、戦時中のため、報道が規制されていたこともあり正確な数字は把握し...