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医師の勝訴確定「国の精神保健指定医の指定取消処分は違法」

レポート 2020年11月16日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

精神保健指定医の指定取消処分が違法であるとして国を提訴した裁判で、最高裁は10月30日、国の上告受理申立てを受理せず、国の違法を認めた東京高裁判決が確定した。国を訴えた精神科医、田沼龍太郎氏が11月16日に都内で記者会見し、明らかにした。10月30日付で、指定取消処分が遡及的に取り消されたことになる。田沼氏は11月13日に田村憲久厚労相宛てに、その旨を明示、公表して同氏の名誉回復に努めるとともに、適切な補償を行う要望書を提出した。 田沼氏は会見で「この4年余りの間は指定医として従事できなくなっただけでなく、『資格不正取得をした医師』の1人として名前を公表された」などと心情を吐露した。患者の診療にも影響が生じたとし、「判決が確定したことで、私の指定医資格は回復されると思うが、本来的な意味での現状回復には到底至らない」と訴え、国への対応を求めた。さらに他の医師についても、精神保健指定医の指定取消処分を見直し、国自らが処分の取り消しを検討する必要があるとした。 精神保健指定医の指定取消問題は、聖マリアンナ医科大学病院で不正が発覚したのが発端。指定申請時に自らが担当していないケースレポートを提...