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医療自殺ほう助は「ハワイでも時期尚早、日本は問題外」

オピニオン 2020年11月22日 (日)  植村健司(ハワイ大学助教授、老年・緩和ケア医)

Vol.1 医療自殺ほう助は「ハワイでも時期尚早、日本は問題外」 Vol.2 「日本では数十年遅れている」呼吸器中止の議論( 「もしかしたらあの人かもしれない」 京都のALSの女性患者(当時51)に対する嘱託殺人容疑で2人の医師が今年7月に逮捕された事件について私が知ったのは、新聞社からの連絡を通じてだった。私は日本で医師として5年間勤務した後、2013年に渡米し、現在はハワイ州で在宅ホスピスの緩和ケア医、老人ホームの老年科医として働いている。ハワイで本件はニュースになっていなかったが、日本の報道をよく見ると、「もしかしたらあの人かもしれない」と1人の女性が浮かんだ。 被害者の女性とは2019年4月頃、Twitterを通じて何度かメッセージのやり取りがあった。ハワイでの医療自殺ほう助に関する私のツイートをRT(リツイート)した彼女は、私に人工呼吸器の取り外しの問題や安楽死の法制化に必要なことなどを尋ねた。「呼吸器の中止と、安楽死・自殺ほう助は異なる概念だ」と伝えつつ、彼女の苦しみが強く伝わってくるツイートに、「米国ではALS患者はチームアプローチを中心とした緩和医療を受けることができる...