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“医療事故調”開始5年で何を学んだか、第15回医療の質・安全学会

レポート 2020年11月23日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

第15回医療の質・安全学会学術集会大会で11月23日、医療事故調査制度を運営する日本医療安全調査機構常務理事を務める木村壮介氏は、『「医療事故調査制度」開始5年間で学んだこと』をテーマに大会長講演を行い、「事故の報告件数は、これで本当にいいのか。予期しない死亡事例全体をカバーし、対応できているのかという問題がある」と問いかけ、適切な報告を医療機関に求めた。医療機関における注意事項としては、インフォームド・コンセントの在り方と、院内事故調査における「臨床経過」についての情報収集・方法を挙げた。 2015年10月にスタートした医療事故調査制度の報告件数は、年1300~2000件という制度開始前の推定もあったが、実際には2020年9月までの5年間で1847件。日本医療安全調査機構が担う医療事故調査・支援センターの権限強化を求める声もあるが、木村氏は、制度創設時の議論を振り返り、プロフェッショナル・オートノミーを基盤とする制度であると指摘。「センターの権限を強化し、それに従うことを求める方式になると、それだけでこの制度がガタガタと崩れてしまう気がする」と述べ、強制的な外部からの規制ではなく、医...