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2009年パンデミックの教訓、生かされず- 鈴木康裕・厚労省顧問に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2020年12月5日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【鈴木康裕・厚労省顧問に聞く】 Vol.1◆DP号対応、36年の役人人生で「全省庁一丸」は初 Vol.2◆前医務技監が考える「日本モデル」とは? Vol.3◆2009年パンデミックの教訓、生かされず Vol.4◆2021年、「withコロナ」時代の医療の行方は? ――今回の対応には幾つかの課題が残るようですが、2009年の新型インフルエンザの際は、2010年6月に新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総括会議が報告書をまとめています。PCR検査の拡充などもいわれていますが、なぜこの報告書が生かされなかったのでしょうか。 それは、いい質問です。確かにPCRなどの検査体制や保健所の強化など、報告書には今から考えても重要な点がいろいろあります。これは言い訳ですが、当時の被害が大きくなかったこともありますし、厚労省にはほぼ2年に1回、人事異動があり、担当が代わります。それと東日本大震災、地域医療計画など、その時々の目前の重要事項に追われ、それ以外の優先順位が下がり、先送りになってしまうのです。ただ、今回われわれが学んだのは、それではダメで、準備をしなければ次の波が来た時には対応できず、かえって...