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10年前の新型インフルの教訓、生かされず - 河野茂・長崎大学学長に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2020年12月9日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

【河野茂・長崎大学学長に聞く】 Vol.1 クルーズ船対応「死者ゼロの真相」 Vol.2 10年前の新型インフルの教訓、生かされず Vol.3 国内2番目のBSL-4新設、感染症拠点完成 ――災害医療については、1995年の阪神淡路大震災を機に、DMATが組織されるなど、体制が整ってきました。しかし、感染症については2009年に新型インフルエンザ(A/H1N1)が流行し、2010年に政府は新型インフルエンザ対策総括会議の報告書をまとめました。政府の今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応にどう生かされていると受け止めていますか。 皆が喉元過ぎれば、熱さを忘れてしまうのでしょう。あの報告書通りに準備が行われていれば、今回の「もたつき」はなかったでしょう。 100年前の1919年にスペイン風邪が流行、日本でも多くの方がお亡くなりになりました。その後、1957年のアジア風邪、1968年の香港風邪など、インフルエンザのパンデミックが度々起きています。もっとも、今回のようにこれだけ世界中で、また日本人も数多くの方が罹患する感染症は100年ぶりで、久々に感染症にスポットがあたったわけ...