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「経済は再生できるが、人の命は再生できない」、札幌から悲痛な声

レポート 2020年11月27日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

「経済は再生できるが、人の命は再生できない」 札幌市のある病院幹部は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う“医療崩壊”に対し、強い危機感を呈する。同病院は2月以降、COVID-19患者の受け入れを続け、救急医療も担う地域の基幹病院の一つだ。北海道が11月26日に「集中対策期間」の延長を決めた翌27日、m3.comのオンラインによる取材に対し、現状を語った。 COVID-19対応病床を増やしても、「本来なら入院扱いとすべき患者が自宅もしくは宿泊療養になったり、救急患者の受け入れも断らざるを得ない状況」だという。「新型コロナ対応と、社会経済対策のバランスを取ることが必要であり、これを考えるのは政治の役割。我々医療者としては、病床の逼迫状況などの正確な情報を行政には発信してもらいたいと考えるが、今の厳しい状況が全然伝わっていない。コロナ患者の入院先を探すのにどのくらい時間がかかっているのか、日々何人が入院しているのか、あるいは自宅・宿泊療養先から何人が救急搬送されているのか――。さまざまな情報を正しく行政が発信しなければ、我々の危機感は伝わらない」(病院幹部)。 「今...