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乳腺外科医事件「世論と専門家の意見を最高裁に」

レポート 2020年11月29日 (日)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、男性外科医が準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された事件で、7月13日の東京高裁の逆転有罪判決を受けて、医療関係者有志で作る「外科医師を守る会」は11月27日、東京都内で「乳腺外科医師冤罪事件上告趣意書学習会」を開催した。上告趣意書は11月10日に最高裁に提出。弁護団は「最高裁は(実質的に)法廷を開かないため、節目は上告人と運動が作っていく。世論や専門家の意見を最高裁に届けることが大切」と訴えた。 弁護団の黒岩哲彦氏は最初にこれまでの裁判の経緯を説明。東京地裁の大川隆男裁判長は訴訟指揮や証拠決定に関して、(1)男性外科医の保釈請求を却下、(2)被害女性A氏のブログやDVD作品を証拠として却下、(3)A氏のブログに関する反対尋問を制限、(4)科捜研の鑑定書を証拠として採用――するなど、外科医側に厳しかったと振り返った。その上で、「道理の通った」判決で無罪を導いていると指摘した。 黒岩哲彦氏 東京高裁の朝山芳史裁判長については「道理と正義に反する高裁有罪判決」と指弾。(1)A氏の被害証言に高度の信用性を認める、(2...