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最高裁による初めての「医行為」解釈と該当性基準の定立

オピニオン 2020年12月6日 (日)  中野丈(スプリング法律事務所)

【質問】 彫り師によるタトゥー施術が医師法違反に問われた事件に関し、「医行為」の解釈等について最高裁による初めての判断がなされたと知りました。どのような判断がなされたのでしょうか。今後、医療業界において、どのような影響が出ることが考えられるでしょうか。 【解説】 1.事案の概要と経緯 2020年9月16日、最高裁が「医行為」の定義と該当性判断基準について、初めて判断を示しました。 問題となった事案は、医師でない者がタトゥー施術を行っていたことが医師法に違反するものとして起訴された刑事事件ですが、最高裁の判断がなされるに至るまでの経緯や「医行為」解釈の問題点については、『彫り師のタトゥー、医師法違反に当たるか?』をご覧ください。 今般、最高裁は、医師以外の者によるタトゥー施術が医師法に違反しないと判断した大阪高裁の判決に対する、検察官の上告について、適法な上告理由がないことが明らかであるとして、判決より簡易な手続きである決定にてこれを棄却して決着をつけました。 本来この結論を導くために「医行為」の解釈を示す必要は必ずしもないのですが、最高裁は、「医行為」にあたるかどうかにつき、医療及び保...