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【フランス便り】パスツールの国のワクチン事情

オピニオン 2020年12月5日 (土)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

フランスでは、生後18カ月までの間に11種類*のワクチンが義務接種となっており、未接種では集団生活を送る場である入園や入学ができなくなっています。大人になっても3種類のワクチンについては10年毎にブースターの再接種**が推奨され、職場の産業医や各自のかかりつけ医から勧められるなど、パスツールの国らしく、ワクチン積極派の国と言えます(出典はこちら)。 *ジフテリア・破傷風・ポリオ・百日咳・Hib・B型肝炎・肺炎球菌・髄膜炎・麻疹・耳下腺炎・風疹 **ジフテリア・破傷風・ポリオ その反面、先進国の贅沢と揶揄される「反ワクチン派」の存在はフランスにもあり、特に今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンについては、その開発スピードとmRNAを使うという新技術に「どちらかと言うと打ちたくない」「絶対に打ちたくない」を合わせると43パーセントの国民が懐疑的な回答をしています(出典はこちら)。 *フィガロ紙11月17日付記事 Pfizer&BioNTec;に続き、11月30日にModernaが欧州薬品局(EMA:European Medicines Agency)へ緊急承認申...