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さらなるクラスター発生なら完全に医療崩壊 - 牧野憲一・旭川日赤院長に聞く

インタビュー 2020年12月5日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

北海道旭川市では、11月6日に慶友会吉田病院(263床)で、11月21日には旭川厚生病院(539床)での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のクラスター発生が相次いで判明した。 旭川厚生病院の感染者数は12月4日16時現在で、職員および関係者71人、患者143人、計214人に上った。入院は緊急を要する患者以外は延期、外来も予約患者の延期などの制限を実施中だ。地域の基幹病院でのクラスター発生により、COVID-19患者の対応だけでなく、地域の通常診療に大きな影響が及んでいる。 旭川赤十字病院院長の牧野憲一氏は、「地方都市は医療資源のキャパシティーが小さい。さらにもう一つの病院でクラスターが発生したら、地域の医療は完全に崩壊状態になる」と危機感を募らせる。他方、行政には「医療提供体制を一生懸命に整えている中で、患者を増やすことはやめていただきたい。患者を減らす努力をしてもらいたい」と強く訴える。牧野氏に、市内の医療提供体制の現状と同院での対応をお聞きした(2020年12月4日にオンラインでインタビュー)。 ――クラスターが発生した旭川厚生病院は、分娩とがん医療に強みがあったものの、...