1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 臨床医、産業医、そして社長としての「コロナ禍1年」を回顧

臨床医、産業医、そして社長としての「コロナ禍1年」を回顧

オピニオン 2020年12月20日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

いよいよ年末の36回目です。 産業医としても、臨床医としても、社長としてもCOVID-19に振り回された一年でした。 2019年年末に検疫に詳しい友人が中国のニュースを見て、「これは大変なことになる可能性がある!」という意見を流し始めたのがCOVID-19について聞いた始まりでした。当初「動物⇒ヒト感染する」という話だったのが、「ヒト⇒ヒト感染する」という証拠がいくつか出てきて、彼のトーンがさらに一段高くなったのを覚えています。 その後、実際に検疫の仕事に入った彼は国家公務員ですので口を閉ざし、この頃より僕は自ら積極的に情報を仕入れ始めました。いくつかの国内感染を経て横浜沖の豪華客船が世間の注目を集め、欧米では多数の死者が出始めました。日本でも4月から5月にかけては大流行の兆しがあって緊急事態宣言が出ました。私は東京に住んでいるのですが、本当に電車はガラガラでした。交通や店舗の営業を一気に抑えた結果、急速に感染は収束に向かい、その間COVID-19病床の整備、ワクチンや治療薬の開発、感染を起こしやすい状況の特定と啓発などが必死に行われました。政府の対策会議のメンバーの皆様の努力や、物言...