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専門家と政府との関係、「一貫性のなさ」が課題- 尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2020年12月26日 (土)  聞き手・まとめ:小川洋輔(m3.com編集部)、橋本佳子(m3.com編集長)

感染拡大防止を重視する専門家と社会経済活動の再開を急ぐ政府。特に観光事業者や飲食店などを支援する「Go Toキャンペーン」を巡っては、意見の隔たりも目立つ。尾身氏が考える「専門家と政府の在り方」とは。 ――新型コロナウイルス感染症の諮問委員会会長や分科会会長として、政府とやり取りをする機会が非常に多いと思いますが、双方の意見が食い違うことも見受けられます。 今回、政府もよく頑張っていただいている。厚労省も内閣府も夜を日に継いでやっている。そのことは申し上げたい。いろいろなことが達成されたが、マスコミはあまり達成されたことを書かない。 もう一つ、本来は最終的に政策を決めるのは政府だけど、多くの場合、政府は我々の言うことを採用してくれたというのが事実としてある。ただ、我々の意見が通らなかったこともあるし、一部修正されたこともある。そもそも、専門家の役割は政府へ提言することであって、それを採用するかを判断するのは政府の役割。我々の意見を100%採用してくれることもあるし、90%ということもある。あってしかるべきだ。なぜかと言うと、モノを見ている視点が違うんだから。政府は国全体のこと、経済や社...