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「日本の医療、底力があったのは間違いない」- 尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2021年1月1日 (金)  聞き手・まとめ:小川洋輔(m3.com編集部)、橋本佳子(m3.com編集長)

欧米のような強制力を伴うロックダウンが取れない中、日本はさまざまな自粛要請で感染者数を比較的抑え込んできた。世界的にはこうした「日本モデル」が奏功した背景として国民性などが指摘されるが、尾身氏は医療従事者や保健所職員の尽力を強調する。ただ、第3波を迎え、医療提供体制も疲弊が続く。今冬を乗り切るため、「5つの場面」の定着による国民の行動変容に期待を寄せた。 ――「第3波」の最中に年越しを迎えそうですが、2021年は医療界にとってどういう年になると考えますか。 とにかく今は感染を下火にすることだ。完全に生活を止める必要はないが、最大限気をつける。メリハリをつけて、「5つの場面」を避けながら、感染対策を徹底していくとだんだん感染レベルが下がってくる。2月頃になると、今抱いている危機感が感染状況にどう影響したのかが如実に表れてくると思う。 この冬さえ越えれば、危機にどう対処したらいいかが分かってくる。どうすればいいのか、国民自身も分かるし、春になれば気候もよくなり、そのうちにワクチンの話が出てくるというのがベストシナリオだ。そういう意味では今が最後の頑張り時の可能性もある。 ――「3密」は20...