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イギリスでのスポーツ医学を勉強して思うこと◆Vol.1

オピニオン 2021年1月2日 (土)  伊東知子(藤田医科大学総合診療研修プログラム指導医)

私は2019年から2020年までの1年間、ロンドンにある名門University College London (UCL)に留学し、スポーツ運動健康学修士課程(MSc Sports, Exercise Medicine and Health)でイギリスのスポーツ医学を学ぶ機会を得た。個性豊かな講師陣、世界中から集まったクラスメイトとそれぞれの国の事情についてお互いに学び合いながら、この1年を通して、日本では特殊な整形外科医の仕事のように思われているスポーツ医学が本当にワクワクするほど面白いこと、そして、これからの日本で大きく花開く可能性を秘めていると改めて感じることができた。本稿では、なぜスポーツ医学を志して留学したのか、そして留学で学んだことを基に日本のスポーツ医学の現状について振り返り、今後の展望について考えてみたいと思う(全4回の連載)。 「スポーツの総合診療医」の存在を知った米国での経験 私は現在、医師13年目の家庭医療専門医で、医学生のときから、スポーツ好きであったことと予防医学に興味があったことからスポーツ医学に関心があり、初期研修後は整形外科、救急科での研修をそれぞれ1年...