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イギリスでのスポーツ医学を勉強して思うこと◆Vol.2

オピニオン 2021年1月9日 (土)  伊東知子(藤田医科大学総合診療研修プログラム指導医)

【イギリスでのスポーツ医学を勉強して思うこと】 Vol.1 なぜ私がスポーツ総合医を目指したか Vol.2 英国での学びと日本のスポーツ医療の課題 Vol.3 スポーツイベントをめぐる課題、日英の比較から Vol.4 東京五輪を機にスポーツ医療の体制整備を Vol.1では、私が日本には存在しない「スポーツ総合医」を目指すまでの経緯を述べた。今回は、2019年から1年間、ロンドンにある名門University College London (UCL)で学んだスポーツ医学の特徴を、日本の現状と比較しながら振り返る。 UCLでのプログラム 私の学んだUCLの修士課程は、フェローシップとは違い、臨床のトレーニングと言うより理論の学習が中心の課程である。(1)運動で一般市民を健康にしたり、治療として運動を利用したりすることに比較的重点が置かれている、(2)医師と他職種の学生の割合が半々である――という2つの特徴がある。 履修単位にはスポーツ外傷(上肢、下肢、脊椎)、スポーツ生理学、健康と運動、外傷予防、スポーツイベント医学(これは医師が主に履修し、その他の職種は「リハビリ」という項目を履修する)...