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がん専門病院にもコロナ病棟、がん診療の遅れや医療者の負担増懸念

レポート 2020年12月31日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

がんの患者団体である一般社団法人全国がん患者団体連合会が12月30日、緊急オンラインディスカッション「コロナ下の日本のがん診療・米国のがん診療」を開催し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で、がん専門病院でもコロナ病院を設けるなど厳しい対応を迫られているほか、医療者が精神的に追い込まれている実態などを話し合った。 がん研有明病院(東京都江東区、686床)は日本のトップクラスのがん専門病院だが、12月24日から1病棟40人の患者を他病棟にうつして、COVID-19患者の受け入れを始めた。同病院副院長・乳腺センター長・感染症科部長の大野真司氏は、現時点ではがん診療を制限していないものの、COVID-19対応にスタッフを充てたことから、がん診療の担当部署の負担も増したとし、今後さらに感染拡大が進んだ場合の影響を懸念した。「もし欧米並みの感染拡大が起きたら、今でも大変なのにいったいどうなるのか。“医療崩壊”を防ぎつつ、がん診療を守るのが重要な課題だ」(大野氏)。 がん検診などの遅れから診断時にはステージが進行していたり、がん患者が自己判断で治療を延期・中断するなどの懸念も呈...