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途中で「主役」がいなくなった会議 - 権丈善一・慶應大商学部教授◆Vol.1

インタビュー 2021年1月15日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

政府の全世代型社会保障検討会議の報告書(以下、全世代型報告書)が2020年12月まとまった。後期高齢者の自己負担の2割への引き上げと、紹介のない大病院受診時の定額負担拡大が柱。一方で、「健康寿命の延伸に向けた予防・健康づくりの強化」など、2019年12月、2020年6月の2度にわたる中間報告から消えた施策もある。 ここ数年来の医療制度改革は、2013年8月の社会保障制度改革国民会議の報告書がベースになっている。同報告書では、「全世代型の社会保障への転換は、世代間の財源の取り合いをするのではなく、それぞれ必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要がある」と記載していた。 同会議の報告書を中心的にまとめた慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏に、国民会議の報告書と比較しながら、全世代型報告書の受け止め、また今後の医療制度改革が目指すべき方向性などについてお聞きした(2020年12月24日にインタビュー。全7回の連載)。 ――全世代型報告書の全般的な受け止めをまずお聞かせください。 報告書が作成される最後までお付き合いされていた事務局の方々は、本当にお疲れさまでした。会議を企画した「主...