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「アルツハイマー病」征服の日は近いか-ノンフィクション作家・下山進氏に聞く

インタビュー 2021年1月15日 (金)  聞き手・まとめ:高橋直純、星野桃代(m3.com編集部)

アルツハイマー病に対する研究開発を追ったノンフィクション『アルツハイマー征服』(KADOKAWA)が1月8日に発刊された。著者の下山進氏は足かけ18年、世界中の研究者や製薬会社、患者などへの取材を重ねた。今年3月には米国でアルツハイマー病の進行を止めるとされる抗体医薬の審査結果が出る。アルツハイマー病研究の現状、著書に込めた思いを聞いた(2021年1月5日にインタビュー)。 ――下山さんは文藝春秋社でノンフィクション編集者をされていましたが、「アルツハイマー型認知症」に関する取材をされたのはどのような経緯でしょうか。 アルツハイマー病の取材を始めたのは2002年で、取材は足かけ18年にもなりました。当時は、デール・シェンク(Dale Schenk)というサンフランシスコの医療ベンチャーの天才的な科学者が、それまでと全く違った方法でアルツハイマー病の解明につながるブレークスルーを見つけ、明日にでも治る病気になるという熱気に包まれた時代でした。 出身は理系ではないですが、もともと科学分野は好きで遺伝子工学を扱った『CRISPR(クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見』(ジェニフアー・ダウ...