積極的勧奨再開、宣言して終わりではいけない-大阪大産婦人科研究チームに聞く◆Vol.2

【大阪大産婦人科研究チームに聞く】 Vol.1◆子宮頸がん死亡4000人増「接種中止の結末示したかった」 Vol.2◆積極的勧奨再開、宣言して終わりではいけない ――日本のリスクコミュニケーションのあり方をどう感じていますか。 聞いた限りでは、日本のHPVワクチン接種後の副反応問題はインターネットを通じて世界にもすぐ伝わったそうですが、どの国も政府が毅然と対応した結果、HPVワクチンの接種は継続されています。積極的勧奨を止めたのは世界で日本だけと言われています。予期せぬ副反応の疑いが出てきた場合に立ち止まって検証するのは重要なことです。問題は、その後にHPVワクチンに関する安全性・有効性のいくつものデータが示されてきているのに、積極的勧奨が差し控えられたままであることです。残念ながら、その不作為によって弊害が生じ始めていると言える段階に至っています。 ――政府にどのような対応を望みますか。 もちろん速やかに積極的勧奨を再開してほしいのが一つです。しかし、現状1％を切っている接種率が積極的勧奨を再開してすぐに戻るとも思えません。自治体によっては、個別通知を再開して10％近い接種率まで戻っ...