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不妊治療、自由診療故に発展―吉村泰典・慶應義塾大学名誉教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2021年1月27日 (水)  聞き手・まとめ:水谷悠(m3.com編集部)、橋本佳子(m3.com編集長)

【不妊治療の保険適用、その課題―吉村泰典・慶應義塾大学名誉教授に聞く】 Vol.1◆不妊治療の保険適用は、少子化対策なのか Vol.2◆不妊治療、自由診療故に発展 Vol.3◆生殖医療クリニック、保険適用で潰れるところも? Vol.4◆特定不妊治療助成なくなり、不利益を被る人も(近日公開) ――不妊治療における課題はどのようなものがあるのでしょうか。 最大の問題点は2つ。経済負担の問題と、仕事との両立です。その一つの経済負担を軽減しようということで、菅首相が不妊治療の保険化と言ったのは、カップルにとっては非常に光明というか、不妊という病態にも光を当てることになったと思います。 ところが、特定不妊治療費助成があって、保険適用にならなかった経緯があったことによって、自由診療として発展してきました。自由診療で実施できたから、ある意味ではここまで進歩してきたといえます。わが国では、新しい医薬品や医療機器を(保険に)入れようとすると大変ですよね、時間もかかるし、制約もすごい。 そもそも、生殖医療に関する法律やガイドラインを国が全く決めてなかったのも事実です。唯一あるのは、日本産科婦人科学会の見解...