呼吸器外しと「Physician-Assisted Suicide」- 厚労省・村重氏
オピニオン
2008年12月15日 (月)
村重直子(厚生労働省改革推進室)
12月11日、奇しくも同じ日に、対照的な2つの記事が掲載された。m3.comの『亀田総合病院院長・亀田信介氏に聞く「人工呼吸器外し」の社会的議論が必要』と、「Physician-Assisted Death ― From Oregon to Washington State」(N Engl J Med 2008;359:2513-5.)である。日本における呼吸器外しの議論が、医療の高度化から取り残されていること、従ってそのギャップに苦しむ人々が増えているであろうこと、米国の議論は日本とは比べ物にならないほど先の段階へと進んでいることを、改めて思い知らされた。 米国で「当然」「常識」と思われていることは、あえて言語化されないため、情報として日本に入ってくることは滅多にない。一方、米国で人々のニーズがあるのに存在しない、あるいは失われつつあるものこそ、言語化され、声高に叫ばれるため、情報として日本に入ってくることが多い。その典型例が、“continuity of care” “primary care” “nonprofit organization(病院の運営主体として)”といったフレー...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。