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救急医療の刑事免責に関する「大村私案」への懸念-虎の門病院・小松氏

オピニオン 2008年8月5日 (火)  小松秀樹(虎の門病院泌尿器科部長)

自民党で刑事免責に関する検討開始 報道(毎日新聞2008年7月30日東京朝刊)によれば、自民党は7月29日、救急救命に関係した医療事故について、事故を起こした医師らの刑事責任を免除する刑法改正の検討を始めた。同日の自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」で、座長の大村秀章・衆議院議員が、刑法の業務上過失致死傷罪の条文(211条)に「救急救命医療により人を死傷させたときは、情状により、刑を免除することができる」との特例を加える私案を示した。この検討会で配布された資料に記載された、「特例」についての趣旨を以下に示す。 「救命救急医療においては、重篤な救急患者に対して、緊急に救命処置を行う必要があり、かつ、専門領域以外の重篤な救急患者に対処することも多いことから、事故と隣り合わせの状況と言える。このような特殊性を有する救命救急医療において、他の分野と同様に刑事責任を問われる可能性があることが、救命救急医療に携わる医師の萎縮を招き、現在の救命救急医療の危機的状況の一因との指摘がある。このため、救命救急医療に携わる医師が安心して医療を行うことができるよう、救命救急医療における刑事処分について、特例...