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「300人増員」、結論ありきの厚労省検討会に異議あり-東大・小野氏

オピニオン 2008年7月30日 (水)  小野俊介(東京大学大学院薬学系研究科医薬品評価科学講座准教授)

私は、旧厚生省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)での勤務経験があり、現在、厚生労働省の「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方に関する検討委員会」の委員をしている。同検討委員会の議論の進め方および内容に違和感、疑問を感じているので、簡潔に指摘したい。 検討委員会は2008年5月23日から、計4回開催された。その最後の7月7日は「中間取りまとめ(案)」について議論したが、取りまとめには至らず、厚労省の事務局が当日の議論を反映させた形で再度、(案)を作成(以下、この案を「中間取りまとめ(案)」とする)。現在、それに対する委員の意見集約している段階だ。再度、会議を開催せず、こうした形で取りまとめを行っているのは、8月の予算概算要求まで時間的余裕がないからだと思われる。 そもそも計4回の議論は、「医薬品の安全管理体制の強化に向けて、300人増員」という結論が先にありきで、現状分析や目指すべき方向性について十分な議論はなされていない。予算概算要求というタイムリミットがあることは理解できるが、委員会の議論が集約されないまま、どんな形で予算要求をするのだろうか。 1....