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刑事事件の「被疑者」を経験した医師として-兵庫県災害医療センター・松山氏

オピニオン 2008年4月10日 (木)  松山重成(兵庫県災害医療センター救急部副部長)

1991年神戸大学卒業。同年阪大特殊救急部に入局し、以後、国立水戸病院外科、松戸市立病院救急部、大阪警察病院救急外科、阪大高度救命救急センター、神戸大救急部を経て現職。日本救急医学会指導医、日本外科学会専門医など。 私は救急患者への診療行為に問題があるとされ、結果的には不起訴になったものの、業務上過失致死容疑で、警察・検察の取り調べを受けた。 今回の件は、「通常の診療行為を行って合併症が起き、それがトラブルになった」というものではない。したがって、今、議論されている“医療事故調”の問題とは異なる。今回のような場合は、警察が取り調べを行うのが妥当だろう。 事の発端から不起訴に至るまでの経緯で今、痛感するのは、「刑事などの事件に発展したとき、いかに医師個人が無力か」ということだ。医療に携わる以上、予期せぬ事態は発生し得る。マスコミで批判的に書かれたり、民事事件や刑事事件に発展することもある。私の場合、当センターがバックアップしてくれたが、刑事事件になった場合などは、医療機関ではなく医師個人で対応せざるを得ないことも多い。 最近、「医師が書類送検」などの報道が散見されるが、医師および医療機関...