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医療への刑事介入が臨床研究を萎縮 - 自治医大・岸氏

オピニオン 2007年12月19日 (水)  岸 友紀子(自治医大再生医学研究部)

昨年の福島県立大野病院事件以来、医療と刑事事件の関係が議論されている。この事件を通じ、医療への刑事介入が医療現場の萎縮を招き、我が国の医療制度に致命的なダメージを与えることが明らかとなった。自民党・厚生労働省は、この事件を契機に医療事故の原因究明を行う機関の設立を目指して試案を発表しているが、その制度設計について医療現場は強く反発している。 我々、東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門を中心とした研究グループは、昨今の風潮が臨床研究者にどのような影響を与えているかを評価した。具体的には、医学中央雑誌を利用し検索を行った。医学中央雑誌基本データベースは、国内で発行される医学、歯学、薬学、および看護学などの関連領域の定期刊行物2301誌(2005年データベース収載数)から採択されている。なお、収載誌の総数は改題や休刊・廃刊した雑誌を含め、約4700誌(1983年作成データから現在まで)である。 この医学中央雑誌基本データベースの「医中誌Web」を用いて、1983年から2007年10月末までの1年ごと、および2006年から2007年にかけては1カ月ごとの文献数を検索し...