情報公開なき感情的水掛け論から脱却を◆Vol.5
スペシャル企画
2007年12月27日 (木)
上 昌広(東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門准教授)
2007年12月14日、経済財政諮問会議で混合診療に関する議論が行われた。議事録(1)を見ると、いかにも厚生官僚が作ったと思われる資料(2)を舛添要一・厚生労働大臣が説明し、八代尚宏議員からも資料(3)説明が行われた。しかし、その後に、短いながらもポイントを突いた討論が行われている。経済財政諮問会議では、「混合診療を原則自由にした上で一定のルールを作るべきだ」という意見が圧倒的に多いようだが、データがないため、感覚的な議論しかできない状況のようである。国民の理解を深め、関係者が充実した議論ができるように、厚生労働省はもっと情報公開すべきだと感じる。 当日の議論を詳細に見直すと、マスメディアの報道内容との違いに驚かれるだろう。ぜひ舛添大臣の発言をお読みいただきたい。混合診療を全面解禁できない理由を列挙するだけでなく、担当大臣として何とか問題を解決しようとする姿勢に、一国民として敬意を払う。 以下、14日の議事録から引用しながら、当日の議論を解説しよう。まずは伊藤忠商事取締役会長で経済財政諮問会議の民間議員である丹羽宇一郎氏のコメントから。 (丹羽議員)草刈議長が言われたように、混合診療は...
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