1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 厚労省の姿勢に対する3つの疑問 ◆Vol.3

厚労省の姿勢に対する3つの疑問 ◆Vol.3

スペシャル企画 2007年12月4日 (火)  上 昌広(東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門准教授)

2004年に小泉元首相が、「年内に混合診療を解禁する」と発言したことを、覚えておられる方も多いだろう。他にも、「骨太の方針2003」や「骨太の方針2004」の閣議決定、総合規制改革会議、経済財政諮問会議といった政府の様々な場で、混合診療解禁が決定された。しかし、厚生労働省は「原則解禁」を認めず、特定療養費制度の見直しで対応すると主張し、2004年12月15日、尾辻秀久・厚生労働大臣と村上誠一郎・内閣府特命担当大臣の『いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意 』(1)が発表され、厚労省の主張に沿った形(2)での決着となった。 厚労省が混合診療を禁止する理由は、『いわゆる「混合診療」問題について』(3)に記載されている範囲では、次の3点のようだ。 (1)医療技術の有効性および安全性の確保 (2)保険医療費の膨張を抑制 (3)不当な患者負担の増大防止 しかし、この3点について、次のような疑問が残る。 (1)医療技術の有効性および安全性の確保 保険診療と併用しなければ、有効性・安全性のチェックは必要ないが、保険診療と併用する場合だけ有効性・安全性の確保が必要だという主張は、矛盾していないだろう...