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「労働力」ではない「質」を見据えた医師養成を◆Vol.7

レポート 2008年12月17日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――最後に医学教育6年、初期研修2年、その後、後期研修…、という医師養成の流れについてお聞きします。今、卒前研修をさらに充実させて初期研修を1年に短縮するという案もあります。メディカルスクール創設も提言されています。その場合、「ポリクリで、見学にとどめるのではなく、医学生に医行為を認めるべき」という意見もあります。 五十嵐 もちろん医学生にできないことは多いのですが、見学に意味があるかどうかは自分自身の姿勢によると思います。例えば、症例カンファレンスでは、メモを取ったり、患者さんを想像しながら聞いて、病棟回診に同行すれば、指導医が診察しているのを見て、「あ、さっき話していた患者さんはこういう状態だったんだ」と分かる。そこで、「先生、ちょっと私も診察させていただきたいんですけど」とお願いすれば、やらせてもらえる。さらに興味を持てば、「自分はこの患者さんを担当したい」と希望を言うこともできるし、先生も「じゃあ、明日の朝、○○の検査があるから、一緒に行く?」とか、声をかけてくれる。 でも、カンファレンスの間、ぼっと座っていれば意味のない回診になる。興味がない診療科では、最低限のことだけやって...