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「非常に医療への配慮にあふれた判決」各立場から意見◆Vol.22

レポート 2008年8月22日 (金)  村山みのり(m3.com編集部)

8月20日の判決の直後に開かれたシンポジウム『福島大野事件が地域産科医療にもたらした影響を考える』では、呼びかけ人である産婦人科医・野村麻実氏(「福島県の産科標榜科数は15.3%減」を参照)に引き続き、公判の傍聴を続けたロハスメディア代表・川口恭氏、「東京女子医大事件」の被告となった医師・佐藤一樹氏など、7人のシンポジストがそれぞれの立場で意見を述べた。 7人のシンポジスト ◆ロハスメディア代表:川口恭氏 今日の判決を一言で言うと、非常に医療に対する配慮にあふれた判決だったと思う。問われたのは、業務上過失致死と医師法21条の2点。業務上過失致死の場合、予見可能性(事前にそういうことがあることが分かる)、回避可能性(回避できる手段がある)の二つが立証されると有罪となる。 今日の判決では、これらはあったものの、回避可能性が妥当であったか、単に可能性として可能か不可能かはともかく、相当かどうか医学的に検証しなければならない、と述べていた。そして、それが注意義務違反に当たるのかの論証をした。 検察側は「胎盤剥離の開始後、手で取れなかった時点で速やかに子宮摘出に移行すべき。それを怠った」と主張し...