「事故報告書は再発防止が目的、法的意味なし」◆Vol.20
レポート
2008年8月21日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
福島県立大野病院事件は、2005年3月に「県立大野病院医療事故調査委員会」がまとめた報告書が発端になっている。この報告書の記載が警察捜査の端緒となったとされる。8月20日の県病院事業管理者の茂田士郎氏の記者会見、21日の県病院局病院経営改革課長の緑川茂樹氏への取材を通じて、県の判決の受け止め方、主張をまとめた。 その1●「事故報告書はあくまで再発防止のために作成した」 報告書には、「出血は子宮摘出に進むべきところを、癒着胎盤を剥離し止血に進んだためである。胎盤剥離操作は十分な血液の到着を待ってから行うべきであった」と記載されている。 この点が今回の判決と大きく食い違う部分だが、茂田氏は記者会見の席上、以下のように語った。「調査委員会では、大野病院以外の産婦人科医に入ってもらい検討した。報告書をまとめたのは、再発防止のため、医療安全を図ることが目的であり、(刑事責任を問う)法的な意味はないと思っている。また報告書は約3カ月間でまとめたが、公判の審議の過程ではさらに細かい検討が行われており、今回の判決の方が正確性があると思っている」。 判決後、県庁で記者会見する、福島県病院事業管理者の茂田...
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