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「血管損傷」の鑑定結果に異議あり - オープンカンファレンス◆Vol.1

レポート 2008年2月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

民事裁判の高裁判決を検証するというオープンカンファレンスが2月24日、都内で開催された(経緯は、「判決を医師がレビューする画期的試み」を参照)。 取り上げたのは、亀田総合病院(千葉県鴨川市)が2001年に経験した、急性テオフィリン中毒の喘息患者の症例だ。このカンファレンスの注目点・成果は三つある。 第一は、この裁判では、2006年9月の地裁判決、2007年12月の高裁判決ともに、医療側に過失があるとされて病院が敗訴したが、画像診断の専門家をはじめ様々な医師がこの判決に疑義を呈した点だ。同判決が確定した場合、萎縮医療を招くなど医療の現場にもたらす影響を懸念する声が上がった(現在、上告申請中)。 また、この日のカンファレンスは、画像診断や救急医療、呼吸器疾患、病態解析、臨床薬理など様々な分野の専門医が実際の判決を医学的に検証するという画期的な試みだった。それでもなお、死因は推定されたものの、その確定までには至らなかった。それだけ診療関連死の死因究明は難しい作業であることが浮き彫りになったわけだが、多数の専門家によるディスカッションを経て、「どこまで医学的に説明が可能であり、どの部分はデータ...