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産業医と家庭医・総合診療医との連携を

オピニオン 2021年1月31日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて38回目です。今回は臨床と産業保健の関係の話です。 僕は日本プライマリ・ケア連合学会の会員です。幽霊会員ですが。地域の小病院で患者を診るにあたっては従来の内科の知識だけでは足りないなと感じたのが会員になった理由だったと思うのですが、新しいものには飛びつきたくなる習性だからかもしれません。数年前でしょうか、藤沼康樹先生(医療福祉生協連家庭医療学開発センター センター長)の外来を数回見学させてもらう機会に恵まれました。水の流れるような外来で、また身体的面だけでなく精神的側面・社会的側面等も頭の中で(おそらく無意識に)チェックしているのだろうと思える外来でした。「ああ、家庭医療の達人の外来というのは、こういうものなのだな」と素人にも感じられました。時間の都合で連携場面や教育場面までは拝見する機会がなかったのが残念です。 ところで先日、産業医として紹介状を書いていて全人的医療を標榜する家庭医や総合診療医の先生との紹介状のやり取りというのが一回もないな、ということに気づきました。やり取りが一番多いのは圧倒的に精神科医や心療内科医です。他には整形外科医、各種内科医。最近は仕事と治療の両立支援の...