総合診療科との協同でER型救急を展開◆Vol.9
レポート
2008年9月11日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
「断らない救急が基本」と語る、院長の松村理司氏。 年間の救急受診者数3万2074人、うち救急車による搬入者数4896人。これが洛和会音羽病院(京都市山科区)の2007年度の「京都ER救急救命センター」部門の実績だ。1日当たりに換算すると、救急受診者数88人、うち救急車による搬入が13.4人となる。 京都ER救急救命センターは、その名の通り、ER型救急と救急救命センターの機能を担い、1次救急から3次救急まで幅広く担当している。3次救急の指定は受けていないが、広域熱傷など一部の特殊疾患を除いてはほぼすべての疾患に対応している。「救急外来を受診する患者も、また救急車の搬入も断らず、すべて受け入れるのが基本姿勢」と院長の松村理司氏は語る。 同センターが今の形になったのは、2004年以降のことだ。以後、利用者数は年々増加しており、人口14万人の山科区の救急車の実に75%が音羽病院に搬送されている。4896件のうち、山科区からの搬送が約45%、それ以外の区からの搬送が約55%だ。 救急車の「受け入れ困難」など、救急医療をめぐる様々な問題の解決策として、注目されているのが、ER型救急だ。厚生労働省の...
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