東京都が「救急医療の東京ルール」を公表◆Vol.7
レポート
2008年8月27日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
東京都は8月25日、「救急医療の東京ルール」を盛り込んだ「迅速・適切な救急医療の確保に関する検討委員会」の中間取りとまとめ案を公表した。 この「東京ルール」は、救急搬送の困難などの問題解決に向け、医療機関だけではなく、都民、消防、行政機関が協働するという視点で作成された。I:救急患者の迅速な受け入れ、II:「トリアージ」の実施、III:都民の理解と参画、という3点を実施するのが「東京ルール」だ。 8月28日に正式に「中間取りまとめ」とし、9月11日までにパブリックコメントを求める。それを踏まえてさらに検討を重ね、10月に最終報告をまとめ、早急な実施を目指す。 10年間で救急搬送は3割増、救急医療機関は2割減 東京都の救急医療の現状には、幾つかの特徴がある。 一つは、救急搬送件数の急増だ。1998年から2007年までの10年間で救急車による搬送患者数は約30%増加、特に65歳以上の高齢者については約67%も増加した。その一方で、救急医療機関は減少し続け、10年間で約2割も減少している。 その結果、「救急搬送の困難事例」、つまり医療機関の選定開始から決定までに30分以上要した事例または5医...
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