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「箱モノ」を作るより、現場の医師に手当を◆Vol.3

レポート 2008年6月25日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「ここ3年くらい2次救急を担う医療機関の疲弊が著しい。救急の議論では、とかく3次救急が話題になり、診療報酬上でも評価されてきた。しかし、2次救急が疲弊したら、3次救急へのトリアージができなくなるなど、救急医療全体が崩壊しかねない」 「1つの拠点病院を作るのではなく、今の仕組みを支える手立てを考えてほしい。大きな箱モノを新たに作るより、救急に携わる医師への補助を付けるべき。各病院で医師が1-2人増えるだけで全然違う」 松江病院(東京都江戸川区)院長の岸本晃男氏は、こう訴えた。舛添要一・厚生労働大臣は6月24日、江戸川区医師会夜間急病診療所と松江病院への視察を行った。地域ネットワーク型の1次、2次救急医療の現場を見るためだ。 舛添大臣の視察先の一つ、松江病院。 「病院診療状況一覧表」で各病院の態勢を把握 江戸川区の人口は約67万人。21の病院と約300の診療所が地域の医療を担っている。救急医療体制の特徴は、(1)1次救急は、夜間急病診療所と、休日の「輪番制」で対応、(2)国公立病院は1カ所もないため、2次救急は民間病院が担っており、その多くは中小規模、(3)3次救急を担う医療機関はない、と...