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ケーキ屋での茶話会が「守る会」の発端◆Vol.1

レポート 2008年4月16日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

2007年4月に公になった兵庫県立柏原病院の小児科存亡の危機。それを救ったのが、「県立柏原病院の小児科を守る会」だ。「コンビニ受診を控えよう」「かかりつけ医を持とう」「お医者さんへ感謝の気持ちを伝えよう」の3つが同会のスローガン。同会の活動内容は全国的に有名だが、なぜ会が発足したのか、その運営の秘訣は何か――。会の代表を務める丹生裕子氏と、会発足のきっかけを作った丹波新聞社記者の足立智和氏の話を基にその軌跡を追った(計6-7回に分けて連載予定)。 守る会代表の丹生裕子氏は、3人の子供を持つ母親だが、最近は講演活動も精力的にこなす。 「県立柏原病院の小児科を守る会」が発足したのは、2007年4月20日。その前日に、地元紙の丹波新聞社の足立智和氏が主宰した座談会がきっかけだ。足立氏は、それ以前から医療問題に取り組んでいた。同院は前年の2006年4月から小児科は2人体制で、2007年4月から一人が院長に就任した。ただでさえ多忙な上に実質的に1人体制になることから、小児科医・和久祥三氏が5月末で退職する意向であると報道していた。小児科外来は予約患者に限り、産科も分娩制限をしていた。 「それ以前...