今改定は勤務医への応援メッセージ-Vol.3◆

「いかに効率的に医師が働ける体制を作るか、という視点で改定した」と語る厚労省保険局医療課長の原徳壽氏。 ――まず現状の医療に対する問題意識、改定の基本的な考え方をお聞かせください。 診療報酬改定は、医療全般に関係することなので、一般施策とは異なり、医療界全体を見ながら実施する必要があります。また、医療には様々な要素から絡んできますので、供給側の問題だけはなく、受診者側、さらには財源も含めて、全体的かつ複合的な形で問題を解決しなければなりなりません。 そうした中、今回は病院、特に病院勤務医に報いる改定ができないかということになりました。中でも、小児科、産科、救急医療、さらには急性期医療の崩壊を食い止める必要があったため、「緊急課題」として取り上げました。これが、今改定の一番大きなテーマとなったわけです。 私の個人的な考え方かもしれませんが、今の問題意識として非常に大きいのは、諸外国と比べて日本の医療提供システムは独特であるという点です。 ――「独特なシステム」と言いますと。 様々な特徴がありますが、日本の医療費は対GDP比で見ると、OECD諸国と比べて確かに低いのでしょう。しかし、間接税...