「医師と数学者」、「R0と行列の固有値」の関係
オピニオン
2021年2月11日 (木)
神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)
さて39回目です。 今回は数学の話とか基本再生産数の話とかです。先日東大の同窓会報を見ていると、医師を続けながら60代にして東大数学科の大学院に入学・卒業された先輩の現況報告がありました。僕の場合は数学科からまだ若いうちに医学部だったわけなのでまだ簡単だったのですが、医学部を卒業してさらに時間が経ってからの数学科大学院というのは相当大変だっただろうと感服しました。卒業までに? 6年間かかったそうです。駒場のキャンパスの変化なども書かれてあって、また自分が大学生だったころが懐かしく思いだされました。 思い起こせば数学科は変人の集まりで、お互いの交流もあまり多くなく50人のクラスだったのですが、顔と名前が一致する人は僕の場合、数人しかいません。 どのくらい変人が多いかを紹介しましょう。突然将棋の話になります。将棋ではプロ棋士を育てるための奨励会というものがあり、26歳までに四段となってプロの資格を得なければ退会になるという厳しい世界です。その奨励会で先日、山下数毅君という小学生が12歳の若さで初段になってちょっと話題になりました。羽生善治九段が初段になったのは13歳、藤井聡太二冠が11歳で...
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